LOVE GIVES LIFE

大好きな映画・小説・音楽から感じたこと、大好きな人たちとの日々をつらつら

ルビー・スパークス


子どもの頃、
お菓子が食べたい!とか、夜更かししたい!とか
ジュースが飲みたい!、あのおもちゃが欲しい!...
って欲だらけのちっちゃい怪獣だった。

大人になってみて、理性や常識...あらゆるつまらないモノを覚えて、
“欲”を全面的に出す人間は、いやらしいとか浅ましい人だ、なんて思うようになる。

さて、自分は“欲”というものがどれだけ減ったかを考えてみると、
意外や意外、特にこれといって減っていない。
むしろ、ひとつひとつの“欲”に対する執着心は小さい頃に比べて強くなっている。

中でも、「恋愛」に関しての欲は、
自分の感情や理性をコントロールできなくさせるほど強くなった。

愛したい。
愛されたい。
会いたい。
触れたい。
感じていたい。
独占したい。

自分にとっての理想の関係や、理想の人に憧れ、夢見て、
それに出会えた瞬間から、あらゆる”欲”が湯水の如く溢れ出す。

「この人しかいない。」
と自分で勝手に決めつけて、あーでもないこーでもないと分析し始める。

それから相手と自分の間に勝手に暗黙のルールのようなものを作り、
相手が自分の理想とかけ離れた行動をすると、失望する。
とてもつもなく悲しい気持ちになったり、相手に対してムカつきさえする。
自分の欲が満たされないことにヤキモキ。

かと思えば、次の瞬間、ふと我に返って、自分の強欲さや身勝手さに反省する。

なんてばかばかしい...w
でもまさに「ばかばかしい」人間になってしまうほど、
ほんの少し狂気じみて、心狂わされるものでなくては、
恋愛とは言えないのだとおもう。

欲だらけのちっちゃい怪獣は、
恋愛を知って、大人になって、欲だらけのでっかい怪獣に変身した、ただそれだけ。
「大人って一体なんなんだ。」と少しだけうんざりする。笑

ビールが飲めるようになって、
好きなだけチョコレートを食べても自分次第だし、
何時に家に帰ろうが、何時に眠ろうが怒られない。
欲にどれだけ正直でいたって構わない。
全てを決めるのは自分次第なのが大人。
でも、欲のまま、ありのままで生きるって...
...そうもいかないのよ、大人って。

と、教えてくれる映画、「RUBY SPARKS」。笑

RUBY SPARKS(ルビー・スパークス)は、
恋愛を知って欲だらけのでっかい怪獣に変身した男カルヴィン(ポール・ダノ)が
主人公の恋愛映画。






















天才作家として華々しくデビューしながら、その後スランプに陥っていた
カルヴィン(ポール・ダノ

 

 















低迷期を抜けるため、理想の女の子“ルビー・スパークス”を主人公にした
小説を書き始めた彼の前に、ふいに現れたのは現実の“ルビー”(ゾーイ・カザン)だった。















タイプライターを叩いて、ルビーについて文章を綴ると、
現実に思い通りになるルビー。
カルヴィンの理想通りのルビーに変身していき、
ますます魅力的になっていく。

 
























タイプライターの存在も忘れ、
これ以上ないほどに幸せな日々を過ごす二人だったが、
ルビーが現実世界で人として成長し、魅力的になって行くことで、
美大に通い始めたり、一人暮らしを始めたり、、
カルヴィンの手から離れ始めていく。

カルヴィンはそんなルビーに不安を感じ、
理想通りのルビーにするため、再びタイプライターを取り出して、、、













と、物語はラストに向かっていく。
「嫉妬」とか「独占欲」って一体どこまでがカワイイ範囲?
と人によって意見の割れそうな物語。

ラストのラストで、カルヴィンは「Ruby is free.(ルビーは自由になる。)」と
タイプライターに打ち込む。
このシーンはかなり切なくて、ある意味「本当の愛をカルヴィンは知ったのね。」
と納得できるんだけど、そのまま終わらないのがこの映画の素晴らしいところ。

ちゃんと最後までゆっくり観て、ラストのクレジットで
思う存分、余韻に浸ってほしい。

彼氏と観るのはちょっと控えた方が良いかもしれないけど、
「この人いいな♡」位の気持ちでデートを重ねていい感じな男性と
観る分には、彼の嫉妬のバロメータや独占欲のレベルがどのくらいか知れて
良い映画かもしれない。笑
(※但し、ラブストーリーを退屈に思わず観られる男性に限るw)

実はこの主演の二人は実生活でも本物のカップル。
更に脚本は、ヒロイン役のゾーイ・カザンが担当している。
才色兼備な彼女と、リトルミスサンシャイン以来、名演の光るポール・ダノ
カップルは誰もがうらやむ公私ともに素晴らしいパートナー。

そんな予備知識も入れながら観ると更に面白いかも。

RUBY SPARKS 予告編



恋愛につきものである、「嫉妬」や「独占欲」と向き合う日々。
情熱的な、ドラマティックな恋愛ほど、理性が求められる。
「大人しくしなさい。」という言葉がまさに似合う人になったと思う。

まるで映画やドラマの主人公になったかのように、
毎日頭がいっぱい。好きだとか嫌いだとか、本当に忙しい。
どこかから「大人しくしなさい。」なんて声が聞こえてきそう。笑

私はやっと、“本当に”大人になったのかも。




次回は「幸せの始まりは」について♫