LOVE GIVES LIFE

大好きな映画・小説・音楽から感じたこと、大好きな人たちとの日々をつらつら

ロマンスを長続きさせる25の方法

同棲・結婚という言葉を本当によく聞くようになった。

 

付き合ってすぐに同棲するカップルや、出会ってすぐに求婚→結婚→同棲(という表現が正しいのか分からないが)など、去年1年間だけでもかなりの数の友人が同棲やら、婚約やら結婚をしたと思う。

 

なんて話を忘年会の席でしていると、十数年先を生きる人生の先輩(既婚)が、「それ、第一次ピークだね」と得意げに言い放った。この調子で数は増え続け、女性なら30歳を目前に、男性は35歳を目前に第二次ピークが訪れるらしい。

 

「えー、そうなんだ。」と相づちを打つと、

「今は他人事に思えるだろうし、結婚願望もないだろうけど、いつまでも自分1人独身でいると焦り出すもんだよ。」

なんて言われてしまった。

「あれ?やばいかなー、やっぱそういうもんですか。。汗」

と笑いながら、心の中で余計なお世話じゃい。と思いつつ何だかチクリと胸が痛む。

するとすぐに、同じテーブルにいた少し年上の男性(独身)が、

「やー、でも結婚のタイミングってわからないもんですね。同棲なんてしないで、ちゃちゃっと結婚しちゃったほうがいいのかも。一緒に暮らして何年も経つ彼女はいるけど、もう1年近くゴブサタで。ソノ気になれないんですよ...今さら結婚てのもなんかね。」

とリアルなトーンで話し出した。

 

私は、何年も同棲するような恋愛経験はない。でもこういう類いの話は本当によく聞く。同棲歴の長いカップルがセックスレス。欲求不満は募るばかりなのに、何だかソノ気になれない。しかもお互いに深く知り合った関係なだけに別れるなんて考えられない。そのまま継続して関係を続けられれば良い方で、結局は破局し、数ヶ月後には別の恋人と結婚しちゃった!みたいな話も珍しいものではない。

 

恋はいつも突然やってきて、突然姿を消す。気まぐれもいいところ。

味気のなくなったガムのように、口の中で変わらず噛み続けているうちに、もう味がしない、あの感じ。いつから味が無くなったのかもわからない。それでもなんか口の中から出せなくて、規則的に噛み続けるしかないような気がしてしまう。

最初に口に入れた時には、あんなに甘ったるくてジューシーで口の中いっぱいに風味があったのに。

 

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出会った頃の気持ち、恋する気持ちをいつまでも持ち続けることは難しい。

私の愛読書「人はなぜ恋に落ちるのか / ヘレン・フィッシャー著」でも、そんなようなことが書かれていたなあ、と思い出す。

 

人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学 (ヴィレッジブックス)

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“私たちが行った脳の研究では、少なくとも17ヶ月は続くことが判明している。(中略)とはいえ、恋愛期間は人によって大きく異なるはずだ。(中略)ところがそうした恋の炎は、相手と毎日一緒にいるようになると、消えていく傾向にあるーーーー”

 

ここで言う、「消える」とは脳の別の回路で分泌されるホルモンの種類が変わるといったようなことらしいので、恋する気持ちが消える=破局というわけではない。

でも、どうせなら世界中にいる70億人近くの人間の中で出会った相手に恋した以上、可能な限り、ロマンチックな恋する気持ちを持ち続けていたいじゃない!

 

...と、25歳まだまだ未熟な女が夢みたいなことを言ってみる。

案の定、人生の先輩(既婚)は「まあ、そうだなあ」とひとこと笑うのみ。そんな夢みたいなこと言ってられるのも今のうちだぞ的表情で優しい笑顔を向けられ、不満そうな顔をする私を尻目に、人生の先輩(既婚)とセックスレスの彼との間で、あーでもないこーでもないと議論して話は収束した。

 

家に帰って考えた。

本音とタテマエがあるのが人間なので、本当のところはきっと誰しも分かり得ないのだろうけど、ロマンスを長続きさせる方法はきっとあるはずだし、焼け木杭に火がつくということわざが昔からあるように、一度は消えた恋の炎をもう一度燃やすことくらいはできるはずだ。

そりゃあ、“24時間365日愛されたい”なんて、そんな高望みはいたしません。でももしそれに近いかたちで愛し合えるならこんなに素敵なことはない。

 

酸いも甘いも恋愛の一通りをなんとなくは経験した。長期間の遠距離恋愛など、普通は経験のないような障害のある恋愛をしたことだってある、と自負している。

たくさんの素敵な恋を知り、失い、悦び、傷付いてきたからこそ、「ロマンス」や「運命の出会い」みたいなものを信じていたい。まだまだ人生を知らない、とか恋愛を知らない、とか言われたって構わない。一回きりの人生、夢見心地で恋愛したっていいデショ!となんだかムキになってしまった。

 

気が付けば、「人はなぜ恋に落ちるのか?ヘレン・フィッシャー著」を手に取り、1ページ目から黙々と読み始め、蛍光ペンを片手に、気になった文章にラインを引いていた。

以前読んだ際に自分が引いたラインの箇所とは違った文章に、自分の心が動かされていることに気が付く。もう何回読んだか分からない。3色のラインが本のページに記されていた。20歳の時に初めて読んでから5年、私は少しずつでも変わっていた。

 

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そんなことを考えながら読み進めていくと、やっぱり!人によって程度は違えど、方法はあるみたい。

脳科学的観点から、生物学的観点から、ロマンスを長続きさせる方法について、セラピストたちが患者に話すアドバイスの話とカーリール・ジブラーン(レバノンの詩人)の言葉を基に、自分なりに25個の標準的行動をピックアップしてみた。

 

 

1. 献身すること

2. 相手の言葉に「熱心」に聞き入ること

3. 質問すること

4. 答えること

5. 感謝すること

6. 魅力的でいること

7. 知識を増やし続けること

8. 彼女を輪に入れること

9. 彼にプライバシーを与えること

10. 誠実で信頼できる人間になること

11. 相手に自分が必要とするものを伝えること

12. 彼あるいは彼女の欠点を受け入れること

13. 礼儀を心得ること

14. ユーモアのセンスを発揮すること

15. 彼を敬うこと

16. 彼女を敬うこと

17. 歩み寄ること

18. 建設的な議論を交わすこと

19. 別れをちらつかせて脅さないこと

20. 過去は忘れること

21. 浮気には「ノー」ということ

22. 関係が永遠に続くと思わないこと

23. 1日ずつ積み重ねていくこと

24. そして、絶対にあきらめないこと

25. 一緒にいる時でも距離を保つこと

 

25番目の「一緒にいる時でも距離を保つこと」については、生物学的観点からも重要な事であると推測できる。

著書の中で詳しく述べられているが、恋愛感情を引き起こす脳内ホルモンであるドーパミンは、報酬がなかなか得られないことで細胞の活動が引き延ばされる。この天然刺激物が脳の報酬中枢とやらへ突進することになるんだそう。

「逆境が恋心を育てる」のも同じで、満たされない気持ちが、満たされたいという欲望に変わり、それこそが恋の炎をメラメラと燃えさせる。

 

“男性は女性とくらべるとプライバシーと自主性を好む傾向にあるとはいえ、どちらの性にとっても、「距離」は恋愛情熱を維持するのに役立つものなのだ。”

 

つまり、お互いにミステリアスな部分をいくらか持っておくことで、恋愛感情=ロマンスの寿命は伸びるのだ。

 

他にも、著書の中で述べられていたさまざまな恋と愛情とセックスにまつわるおもしろい話たちを基に考えた。でも、そもそも上記25の方法は、きっと恋に落ちた最初の頃には、自然とお互いにやれていたことなのだ。人はいつしかそんな事も忘れ、お互いの愛情の上であぐらをかきはじめてしまう。やはり恋愛においても原点回帰は必要不可欠なのだろう。

 

 

と、自分なりのふわりとした結論wを前に、本に目をやるとスイスの作家ヘンリ・フレデリック・アミエルの「人は愛すれば愛するほど、苦悩する」という文章が、目に留まった。思わずラインを引こうとペンを手に取り、よく見ると、すでにうっすら鉛筆でラインが引かれていた。以前の私も、どうやらこの言葉が目に留まったらしい。

 

「人を愛し、苦悩することは昔から変わってないのか。」と思わず笑ってしまった。笑

 

時間と共に、人はいつからか相手の愛情に甘え出す。

本当に愛する人ととそばにいられるだけで幸せなことなのに、いつしか当たり前になってしまう。イビキがうるさい!寝相が悪い!起きたての髭が痛い!朝の息がイヤ!と、日常生活で相手に嫌気がさすことも、愛する人と共に生きられることの幸せなのだ。

 

好きな時に愛してると伝えられること。愛する人と嫌気がさすほど一緒に過ごせること。幸せの中にいると、きっとこういうことから見落として言ってしまうのでしょう。ロマンスを長続きさせる25の方法は、改めて読めば、あたりまえのことしか言っていない。

そのあたりまえこそ、貴重なものなのだと気付ける人にならなくちゃ、と頭の中がハッとした。

 

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