LOVE GIVES LIFE

大好きな映画・小説・音楽から感じたこと、大好きな人たちとの日々をつらつら

「ほしいものが、ほしいわ」~『紳士はブロンドがお好き』から見るローレライの恋愛テクニック~

80年代に糸井重里氏が西武百貨店の広告コピーとして世に送り出した言葉。

「ほしいものが、ほしいわ」

 

実際のコピーはもう少し長文らしい。

 

“ほしいものはいつでも

あるんだけれどない

ほしいものはいつも

ないんだけれどある

ほんとうにほしいものがあると

それだけでうれしい

それだけでほしいとおもう

ほしいものが、ほしいわ”

 

f:id:megnaked:20150106170403p:plain

 

変化球に見えて、かなりの直球。

「イマドキの若者は消費をしない」なんて言われている時代。

消費うんぬん以前に、ソーシャル化しすぎた現代の雰囲気のせいで、周りの目を気にしてなのか、「ほしいものが、ほしいわ」と言える人が少ないだけのような気もする。

そして時たま、「ほしいものが、わからないわ」状態の人もいたりして。

物が溢れている時代に生まれた宿命なのか、なんなのか。

 

買い物だけに留まらず、恋愛でも、同じことが言えるような。

「○○さんが好き」という明確な気持ちの前で、なんにもせずにヤキモキ、モジモジ。

しおらしくって素敵だね、なんて意見もあるでしょうけど、

基本的に、「ほしいものが、ほしいわ」と言えなきゃ、よっぽど幸運の持ち主でない限り、「ほしいものは、てにはいらない」のです。

 

私が思うに、

「欲しがる権利のあるうちに、欲しがれるものを、欲しがるべき」で、

もしそうしなければ、近い将来、欲しがる権利が無くなった時に、欲しがらなかった自分を呪うほど後悔するはず。「欲しい・手に入れたい」と思う気持ちは、失うことでさらに大きくなるもの。求められるうちに、求めるべきなのです。

 

と、前置きが長くなりましたがw

本日は元祖肉食女子?の競演でも有名な「紳士はブロンドがお好き」から見るローレライの恋愛テクニックについてご紹介。

 

f:id:megnaked:20150106173515j:plain

 

ハリウッドを語るのに欠かせない大女優、そして世界のセックスシンボルとまで言われたブロンドのマリリン・モンロー、ブルネットが印象的なジェーン・ラッセルが競演した本作。

 

f:id:megnaked:20150106174226g:plain

 

ニューヨークでショーガールとして活躍する、お金に目がないローレライ・リー(マリリン・モンロー)と色男に目がないドロシー・ショー(ジェーン・ラッセル)。

性格も容姿も真反対だけれど、二人は幼なじみの大親友。

 

ちょっとおバカなローレライは資産家の息子ガスとフランス行きの豪華客船に乗りフランスで結婚式を挙げることに。しかし、ガスの父親が金目当ての結婚は許さない!と二人の関係に水を指す。とあるきかっけで、ローレライとドロシーだけでフランスに渡ることに。心配性でヤキモチ焼きなガスを尻目に二人は豪華な船旅に出る。

 

f:id:megnaked:20150106175712g:plain

 

船の中では、美人な二人に男性の乗客たちの視線が集まる。

ガスの父親がローレライの素性を暴くべく雇った私立探偵のアーニー・マローンもその中のひとり、ドロシーの美貌にひとめぼれする。ローレライの監視をしながらドロシーと心を通わせるマローン。ドロシーも徐々に彼に魅かれていく。

 

f:id:megnaked:20150106180112g:plain

 

一方、ローレライは、ドロシーに素敵な相手を見つけると託つけて、乗客名簿をもとにお金持ちの男性をしらみつぶしにチェック。

 

f:id:megnaked:20150106180353g:plain

“If a girl spends all of her time worrying about the money she dosen't have, how is she going to have any time for being in love?

-もしも女がお金を使う時に心配ばかりしていたら、愛する余裕なんて無いはずよ。”

 

なんて力説するローレライ

パーティーで出会った宝石関係会社の社長であるピギーに目星をつけると猛烈アタック。ピギーはローレライに夢中で、仕舞いには、ピギーの妻のティアラをローレライに譲ってしまう。

 

f:id:megnaked:20150106181616g:plain

 

のちに、このティアラを巡ってトラブルが大発生。私立探偵マローンとドロシーの恋の行方やいかに。そしてローレライは無事にガスと結婚ができるのか。と物語は進んでいくわけですが、、

 

そもそもミュージカル映画が無理という人にはオススメできない映画ではあるものの、マリリン演じるローレライとジェーン・ラッセル演じるドロシーのライフスタイルや立ち振る舞いは現代の女性にも大いに参考になる“モテ要素”がたくさん。そして何より、ローレライの男性を虜にするテクニックは(ちょっと自分流にカスタマイズする必要があるけれどw)ぜひ真似してみたいものがたくさん!

それだけでも一見の価値有り!というわけで、個人的にふむふむとおもった部分をご紹介いたします。

 

 

 

 

◇うれしい!→チュッ!戦法

f:id:megnaked:20150106182541g:plain

“Daddy, I'll bet you made me the happiest girl in the world!

-パパ、私って世界一幸せな女だわ!”

 

ステージ後に楽屋に来たガスがローレライにダイヤのリングをプレゼントする。受け取ったローレライは大喜び。ぶっ飛ぶくらい大きなダイヤを何の脈絡もなくプレゼントされたら、普通は「こんな高価そうなもの...!」とか「もらうなんて申し訳ない!」なんて気分になるところを、ローレライは「大きければ大きいほどいいわ!どう?これ小さい?」なんて言いながら、指輪をはめてみせます。笑

そしてその後、指輪を見つめ、ガスを見つめると「パパ、私って世界一幸せな女だわ!」とガスの襟を掴んでキス。そもそも“パパ”っておいおい...とも思いますが、それすらローレライのキャラならアリ!と思わされてしまう。

 

ローレライのように目が¥マーク的な部分を素直に出せ、ということではなくw、嬉しいことに対して、ちゃんと照れたりせずに120%の反応で返してあげられる女性ってやっぱり可愛らしい。ただただ喜ぶだけじゃなくて、相手の好意に対して、ちょっと大げさなくらい気持ちを返して、更にいい過ぎでしょってくらいの言葉もかけて、喜びに浸る気持ちをキスで表現してあげられれば、男性だってやったかいがあったぜ!と誇らしい気分になるはず。

 

名付けて、「嬉しい!→チュッ!戦法」なり。笑

 

◇「忘れないでね」戦法

f:id:megnaked:20150106184929g:plain

“I'll be in my room alone, every post meridian and I'll be with my diary and that book by Mister Gideon.Bye, bye baby...Remember you're my baby. When they give you the eye, and just show that I care.I will write and declare that I'm on the loose but I'm still on the square.

-午後はいつも独りで部屋に閉じこもっているわ。日記と聖書を手にしてね。

お願い、忘れないでね。アナタは私の恋人だってこと。

誘惑されそうになった時、アナタを愛している証拠に誓うわ。離れていても浮気なんてしない。どんなに寂しくても、他の男性には近付かないわ。

しばらく会えないけれど、笑顔を忘れないわ。さよなら、私のベイビー。”

 

フランス行きの豪華客船に乗り込むも、ガスとはフランスで落ち合うことに。船に乗り込んでから、あらゆる男性の視線がローレライたちに向けられているのを見て不安になったガスにローレライが歌うシーン。

大勢の中から、ガスを連れ出して二人になると、隣に座って耳元で囁くようにスローに歌い出す場面は女の私でもドキドキするほどキュートでセクシー。15秒に1回くらいのペースで唇をチラリと見つめてニコッと笑う辺りも、さすがマリリン...と息をのむほど小悪魔感が溢れ出てます。

 

恋人と離れてる時間、いろんな誘惑に負けちゃうんじゃないか?浮気しちゃわないか?と心配になることは誰しもある。そんな時、ありがちなのが「浮気したら許さない!」とか「○○時頃、連絡する(して)!」とか「女の子とアドレス交換しないでー!」とかお互いに約束事を決めることだったりするのだけど、ガチガチに固めても結局浮気するときはするのが男性(女性も然り)なので、もはやそういうことに意味があるのかないのかも分からない。だったら、いつまでも自分に夢中でいてもらう努力やら、彼(彼女)が自分の恋人なんだってことを刷り込む戦法に出た方が懸命。笑

「お願い、忘れないでね。アナタは私の恋人だってこと」といいながら、かわいらしく鼻をスリスリするローレライのように、恋人同士のルールで固めるのではなく、「お願い、忘れないでね.....」と文字通りお願いする方がずっとかわいらしくて効果がある。

 

更に、ここで大事なのが、「聖書と日記を手に独りで部屋にこもるわ」なんてことを言っていたはずのローレライが「誘惑されそうになった時...」と続けて歌い出す。ちゃんとここで、自分にも“誘惑されるようなときがある”という可能性を匂わせています。笑

 

ー離れていても浮気なんてしない。どんなに寂しくても、他の男性には近付かないわ。

しばらく会えないけれど、笑顔を忘れないわ。ー

 

浮気しないし、他の男にも近付かない!とちゃんと宣言した上で、それでも明るく過ごしますと言ってる辺りかなりのテクニシャンだなあと感服。もちろんローレライは架空の人物ですが、現実にもこういうことできる女性っているもの。

普通なら、「あなたに会えなくて寂しい」とか「あなたがいなきゃ楽しくない」とか沈んだ気持ちを色々言ってしまうもの。でもここでローレライは「あなたがいなきゃ何もできないわ」なんてガスを安心させるような言葉を並べて甘えて歌った後に、すっかり元気になって「アハハ!」と大きく笑って部屋に入ってきた人たちと踊り出す。笑

「なんだか安心したんだけど、でも、結局のところ、、なんか、、、そうだよね、うん。。」と言いたげなガス。笑

なにはともあれ、きっとこのギャップがたまらないのでしょう。

(だがしかし、翌日にはどこかから手に入れた乗客名簿をチェックしたり、食事の席で目当ての資産家の隣になるように支配人を買収したり、、とおバカに見えてかなりしっかり者なローレライ。笑)

 

従順過ぎても面白くないのが恋愛。ローレライのように寄りかかっているようで、でもなんだか危なっかしい。そのあたりが男心をグッと掴んで離さない。

 

というわけで、ヤミクモに束縛するんじゃなくて

「私も誠実でいるから、あなたも誠実でいて、お願い♡」パターンが一番の浮気抑止力になったりする。

 

「彼に限って浮気するなんてありえない!」と思っているよりも「浮気は誰にでも十分ありえる」と思っていれば、「お願い、忘れないで」は自然と出てくる言葉になる。そして、だからこそ、「私もその誘惑に負けないようにするわ」と刷り込むことで、つまり、あなたが浮気しているその時には私も浮気しているのかもよ?とお互いに心配する気持ち、“浮気の可能性が0ではないこと”が抑止力になってくれるはず。

 

「浮気しちゃうんじゃないか」という気持ちを逆手にとって、束縛せずして束縛するという、名付けて「忘れないでね戦法」なり。笑

(本来、恋愛関係において自然なことだとは思いますが。)

 

 

 

 ◇「ほしいものは、ほしいわ」戦法

f:id:megnaked:20150106204415g:plainf:id:megnaked:20150106204217g:plain

“Don't  you know that a man being rich is like a girl being pretty? You wouldn't marry a girl just because she's pretty, but my goodness, doesn't it help?

-お金持ちの男は美人の女と一緒なの。同じ結婚するなら美人の方がいいでしょ?”

 

ガスの父親に結婚を反対されたローレライが言うセリフ。

資産目当ての結婚なんてありえないと言うガスの父親に対して、ローレライが悪びれることなく言い放ちます。

 

まさにローレライこそ“ちゃんと欲しがれる女”であり、それを手に入れる権利があるひと。

 

この後、驚いたガスの父が「利口な女だとは知らなかった」というと、ローレライは続けます。

 

f:id:megnaked:20150106211745j:plain

“I can be smart when it's important, but most men don't like it.

-私が利口ぶると、男はいやな顔するのよ。”

 

この時代の理想の女性像は利口で自立したな女性よりも、ちょっとおバカでも家庭的な女性。そんな男性の理想像を理解していたローレライ。彼女なりのフェミニズムがあったのではないかと。ここで言う彼女なりの、とは男性社会を敵と見なしたような従来のフェミニズムではなくて、まるでそれら全てを手玉にとったようなフェミニズム

 

ほしいものは、ほしい!と開き直る。そして自分をしっかり持って崩さない。それでいて男性の欲望や希望も壊さない。

これこそ、まさに00年代を生きる今の女性たちが目指すべき新しいフェミニズムなのではないかと思ってみたり。

 

そんなローレライの必殺「ほしいものは、ほしいわ」戦法。笑

 

 

 

 

「紳士はブロンドがお好き」は、ちょっぴり古くさいし、思わず「ありえないでしょ〜」と突っ込みたくなる展開もたくさんある映画ですが、今を生きる全ての女性にぜひ観て欲しい!

 

観終わった後に、絶対何かを得ているはず。

「ほしいものが、ほしいわ」と言える女になると、毎日が今よりもっと素敵になるかも。

 

 

紳士は金髪がお好き [DVD]

紳士は金髪がお好き [DVD]