LOVE GIVES LIFE

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BOYHOOD 「6才のボクが、大人になるまで。」

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 久々のブログ更新。BOYHOOD (邦題:6才のボクが、大人になるまで。)を鑑賞。

もうなんだか、ものすんごく、いろんな意味で衝撃を受けたのでご紹介。

 

<あらすじ>

 父メイソン・シニア(イーサン・ホーク)と母オリヴィア(パトリシア・アークエット)の離婚後、姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)とともに母の元で暮らすメイソンJr.(エラー・コルトレーン)は6歳。

 ある日、オリヴィアは祖母が住むヒューストンに引っ越すと言い出す。仲の良い友人に何の別れも告げられずに旅立つことになってしまうメイソンJr.とサマンサ。ヒューストンに移ると、母やは大学に通い、新たな何かに挑戦する様子。

 アラスカに旅に出ていた父が戻り、メイソンJr.たちの引越し先に定期的にやってきて子供をボーリングに連れて行ったりと、楽しいひと時を過ごす。やがて父、母ともにそれぞれの恋人と再婚。メイソンJr.とサマンサも思春期へと突入し... (参考:6才のボクが、大人になるまで。 - Wikipedia )                               

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◇これはもはや ” 奇跡 ” の映画

 上映前から話題となっていた本作。なんといっても撮影方法がかなり特殊。

監督のリチャード・リンクレイターが、当時6才だった少年エラー・コルトレーンを2002年の夏から2013年の10月までの12年間に渡り、18歳までの彼の成長に合わせて脚本を執筆し撮影した。

 

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 (左上から6歳、7歳、8歳...とメイソンJr.役のエラー・コルトレーンの成長の様子)

 

 カリフォルニア州の法律では、ビジネスにおいて7年以上の契約を結ぶことは違法とされており、当時監督とキャストの間には契約書は存在しなかった。「ボク(またはワタシ)、辞めます」なんていうキャストが出てきたら、制作白紙に戻っていたかもしれないほどリスキーなプロジェクトだったはず。しかし、そんな心配をよそに12年間、主要キャストの誰一人欠けることなく撮影は行われた。

 キャスト・スタッフ、撮影方法だけでなく、本作は、2014年のあらゆる賞レースを席巻した。近年稀に見るほどの高評価で、米ローリング・ストーン誌が選ぶ2014年の映画ベスト10では見事1位を獲得。主人公の母親役だったパトリシア・アークエットは米英アカデミー賞助演女優賞を受賞。さらに作品としてもゴールデン・グローブ賞3冠、その他の映画賞も数え切れないほど受賞している。

 

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 監督リンクレイター自身が「これまでこんなことは一度も実現したことがなかったし、今後も二度とないだろう」と述べいているように、まさに本作は奇跡の映画といっても過言ではない。

 

◇テクノロジー、音楽、政治、サブカルチャーからみる時間経過

 なんといってもこの作品、メイソンが6歳から18歳になるまでの間、メイソンが今現在幾つなのか、テロップなりセリフなどでの説明は殆どない。しかし、観ている側は時間経過をキャストそれぞれの容姿の変化以外にも判断ができる。なぜなら、メイソンが遊ぶゲームボーイがX BOXに変化したり、愛読書ハリーポッターは秘密の部屋から最新巻へ(劇中ではハリー・ポッターと謎のプリンスが新巻/2005年)、学校でいじるapple製品は初期のスケルトンタイプのデスクトップ、父(イーサン・ホーク)が熱弁する政治論はブッシュ政権、イラク戦争からオバマ政権へ転換...など、時代を彩る要素たちがシーンの一つ一つに散りばめられているから。こういった部分を気にして見てみても、「あー、懐かしい!」と思えるものが出てくるのが面白い。

 

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 劇中歌も時代に合った曲たち。さすがリンクレイター、ただの流行歌を使用しないので12年経った今でも古臭く邪魔にならずに使用している。コールドプレイ、キングスオブレオン、ヴァンパイウィークエンド、シェリル・クロウ、フェニックス、ブリトニー・スピアーズから始まり、終盤ではリアーナ、ガガ様などが登場。時代に沿ったリンクレイターならではの選曲が、物語の時間経過を判断するもう一つのいいスパイスになっている。

 


Best Part of BOYHOOD Movie Lorelei Linklater ...

※サマンサのブリトニーが超絶キュート&ファニーなので必見。笑

 

◇主要キャストから見る自然な時間経過

 主要キャストである父役のイーサン・ホーク、母役のパトリシア・アークエットも主人公であるエラーと同じく12年間の撮影に挑んでいる。撮影当初の若々しい彼らも、物語の終盤には立派な中年の男女に。笑

 

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 パトリシアは中年の母親らしいしっかりとした体つきになり、イーサン・ホークは白髪混じりでシワも目立ち始める。特別な特殊メイクや演出を行わずに12年という歳月がもたらキャスト一人一人の自然な加齢が作品自体により説得力をもたせ、物語に深みを与えている。

 

◇もはやドキュメンタリー?!

 この作品、とにかく過剰な演出や説明的な部分が全くない。先にも述べたように観ている側がキャストのファッション、小道具、音楽、セリフから時間の経過を感じ取るしかない。取り立てて感動的な出来事やショッキングなできごとが起きるわけでもなく、1人の少年とその家族の12年間を淡々と追ったドキュメンタリーのように物語は進んでいく。

 

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◇年齢の積み重ねは、瞬間の積み重ね

 ある少年の12年間の歳月を3時間弱という時間の中にまるで一瞬かのように詰め込んでいる本作はまさに「年齢の積み重ねは、瞬間の積み重ね」であるということを教えてくれる。

 物語の序盤、メイソン達が祖母の家へ引っ越しをすることになり、車に乗り込み向かう途中、近所の少年がメイソンを見送ろうと自転車を走らせこちらへやってくる。しかしこのシーンで少年の顔は草むらに被ってはっきりと確認できない。

 

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 メイソンが度々家の前で一緒に遊んでいたこの少年の顔は終始、観ている側の私たちはハッキリ確認することができずに、とうとう最後の別れを迎えてしまう。

 

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 私自身、同じような経験がある。幼少期に住んでいたマンションのどこで、どんな遊びをしたかは覚えているし、近所の子供達の姿形はうっすら脳裏に浮かぶのに、相手の顔がどんなだったかまでハッキリと思い出せない。ややもすれば名前すら覚えていない。引っ越してしまってからは寂しいと感じつつも、その地域に戻ることもなく、新しい土地で友人ができた。主人公も物語の中で、成長していくとともに周囲の人間たちの様子も変化していく。とりわけ印象的なエピソードがない限り、ある特定の人間は次のチャプターが始まる頃にはすっかり過去の人となり、巻き戻さない限り思い出すこともなく、あっけなく出番終了となる。

 人間にとって幼少期から青年期までの12年間は一生のうち、ほんの一瞬のような時間かもしれない。歳月を重ねれば重ねるほど、人の記憶はアップデートされ、恐らくある一定の量を超えると記憶は、新しい情報を上書き保存せざるを得ない状況になる。この映画はまさにそういった人生の営みを表現したかったのではないだろうか。

 こうして、リンクレイターの特殊な撮影技法が登場人物それぞれの一瞬一瞬の積み重ねを表現し、物語を進め、厚みと広がりをもたせているのだ。

 

◇「日常に溢れるモーメント(瞬間)こそ人生」

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「You know how, everyone's always saying "seize some moments."

 I don't know why I'm kind of thinking it's the other way round.

 You know like "The moments seize us"」

ーどうしてみんな、いつも「一瞬を逃すな」と言うのかな?

 私はなぜだかそれを逆だと考えてしまうの。「一瞬が私たちを逃さない」って。

 

 メイソンはこの問いに対して、図らずも自ら彼なりの答えを出す。そのセリフこそ、リンクレイター自身が伝えたかった、表現したかったメッセージなのかもしれない。

 

 瞬間ごとに起きる出来事の積み重ねが自らを形成し、時間という束になって私たちに残酷に現実を突きつける。なんて事ない、平凡な人生に思えても、瞬間ごとに振り返る、もしくは感じる事ができれば何かが変わるのかもしれない。人生とはあっけなく、あっという間に過ぎるもの。時間には誰も逆らう事はできない。そういった普遍的なテーマを過度な演出なく、自然に表現した本作はまさに秀逸だと思った。

 

 一度見終わったらぜひもう一度見て欲しい。繰り返し観る事で瞬間ごとの出来事が物語において人々にどのような影響を及ぼしていたかを知る事ができる。

 

 日常に溢れるモーメント(瞬間)こそ人生なのだ、と感じる瞬間を味わって欲しい。明日が変わる作品の一つであることは間違いない。

 

映画『6才のボクが、大人になるまで。』予告編 - YouTube

 

 

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6才のボクが、大人になるまで。

6才のボクが、大人になるまで。

 

 

 

 

ある日どこかで -遠く想いを馳せるということ-

  ※ネタバレありです

 

 

「あなたなのね。」

ある老女のひとことで物語は動きだす。

 

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リチャード・コリアー(クリストファー・リーブ)は、脚本を手がけた舞台の初公演が終わったばかりだった。これからの自らの活躍に期待を膨らませ、仲間と成功を喜び合った。

 

すると一人の老女が現れる。

リチャードの元へ静かに歩み寄ると、金時計を手渡した。

 

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「帰ってきてね。」

そう言うと、老女はまた静かにリチャードの元から去っていった。

 

それから数年が経ち、リチャードは80年代を代表する人気脚本家として忙しい日々を送っていた。

産みの苦しみに直面し、スランプに陥っていたリチャードは作品のインスパイアを求め旅に出る。

 

とある避暑地にあった老舗ホテル、「グランドホテル」。

リチャードはこのホテルに立ち寄り、一泊することに。

暇を持て余したリチャードは、ホテルにあった歴史資料館である女性の写真を見つける。

 

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彼女の名は、エリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)。

1912年に一世風靡した人気女優だった。

当時、このグランドホテルにて公演を行った際に、記念に撮られた写真だったのだ。

 

リチャードは彼女の美しさに心奪われ、来る日も来る日も写真を眺めに、

歴史資料館に立ち寄った。

写真の中のエリーズに虜になったリチャードは、彼女についてもっと知りたい、と

エリーズを古くから知る友人や、ホテルの支配人など、たくさんの人物に彼女について聞いて回る。

 

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彼女が人気女優だったこと、明るく朗らかな女性だったこと、生涯独身だったこと。

ある日をきっかけに彼女の人生は180度変わってしまったこと。。

 

そして、衝撃の事実を知ることとなる。

 

数年前のあの日。リチャードに金時計を手渡した老女。

彼女こそがリチャードが心奪われた女性、エリーズ・マッケナだったのだ。

 

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「帰ってきてね」という彼女の一言で何かを悟ったリチャードは、彼女と自分には何か運命的なものがあるはずだ、と半ば狂信的に、タイムトラベルの方法を見つけ出そうとする。

そして、母校の「時間旅行」という本を執筆した恩師に掛け合い、ついにタイムトラベルを決行。

 

洋服、お金など全てを1912年代のもに変え、

グランドホテルに戻り、ベッドの上で自己催眠を始める。

 

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目がさめると、リチャードは1912年代に。

エリーズを見つけたリチャードは早速彼女とコンタクトを取ろうと必死になるも、当時人気の絶頂だったエリーズにはお目付役として敏腕マネージャーのロビンソンの存在が。

 

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ロビンソン(クリストファー・プラマー)に警戒されるリチャード。

※ロビンソン役のクリストファー・プラマーはなんと永遠の名作「サウンド・オブ・ミュージック」の父役!

 

なんとか彼女にタイムトラベルまでして会いに来た事実を伝えようとするも、ロビンソンの存在が邪魔となる。

それでも諦めず、エリーズへひたむきに想いを寄せるリチャードの姿に、エリーズ自身が心ほだされ、惹かれていく。

 

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ロビンソンの厳しい監視をくぐりぬけ、つかの間の時間をともに過ごすようになった二人。二人には時間など必要なく、見る見る間に惹かれあった。

 

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そして、ロビンソンの邪魔をよそに、

 

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「こんな気持ちは生まれて初めてよ。だから気持ちを上手に伝えられない。」

エリーズが舞台で自らのセリフをアドリブに変え、観客席のリチャードをまっすぐ見つめていう。

 

二人はまさに運命の出会いを果たし、結ばれたのだった。

 

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幸せな夜を過ごした翌朝、

ホテルの部屋で半分裸のまま二人きりの時間を思う存分楽しんでいた。

 

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「あなたの服は時代遅れだわ。買い替えなくっちゃね。」

とリチャードをからかうエリーズ。

「そんなことないさ。ほらこうしてポケットがついているから、コインを入れて...」

とポケットからコインを取り出すリチャード。

 

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すると、コインには「1979」の文字が。

 

タイムトラベルの必須条件は「現代(80年代)のものを1912年に持ち込まないこと」だった。

 

コインを取り出した瞬間、タイムトラベルは崩壊し、リチャードは80年代に引き戻されてしまう。

そして...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と映画はラストへ。

時空を超えた愛の物語は衝撃のラストで幕を閉じます。

 

映画公開当初、アメリカでは酷評の嵐だった「ある日どこかで」。

B級映画と言われ、興業収入も芳しくなかったらしいのですが、

それでも、物語、音楽の美しさにアメリカ全土でファンが多いのも事実。

公開当初から現在にかけてじわじわと人気を獲得した映画といったイメージ。

 

音楽の担当は、ジョン・バリー

「野生のエルザ」や「真夜中のカウボーイ」などを手がけたイギリス出身の作曲家。

アカデミー賞ゴールデングローブ賞を5度も受賞している名作曲家。

 

この映画の何がいいって、音楽が本当に素晴らしい。

ラフマニノフのラプソディーを聞くと、エリーズとリチャードが一緒にボートに乗っているシーンが頭に浮かび上がってくる。

シーンの一つ一つにつながる素晴らしい音楽がちりばめられている。

 


Rachmaninoff's "Rhapsody on a Theme of ...

 


Somewhere In Time - Theme Song- - YouTube

 

ほんの少しの時間を共に過ごし、愛し合った二人の悲しくも美しい物語。

 

人が愛し合うのに時間なんて必要ない。

 

いつか終わってしまう、と思うと人はなんとかして終わりを遠ざけようとする。

逆に、終わりが見えないものに対しては、マンネリを感じおざなりにしてしまう。

 

いつまでも、永遠に一緒にいたいと願う気持ちはみんな同じなんだろうけど、

時空や時代を超えて愛し合う強さや執着心みたいなものは、

時間が永遠じゃないとわかっているからからこそ、なせる技なんじゃないかと思った。

 

それでも、そんな執着心と自分の気持ちを押し殺してでも、

どうしても自ら終わらせなくてはいけないこともある。

 

映画を見終えて、そんなことを考えた。

 

だんだんあったかくなってきて、新緑の香りみたいなものがふわふわと香っている。

でもまだ夏にはなっていない。春といえども、桜は散ってしまっている。

春と夏の間、中途半端なこの時期、まさに今の私。笑

 

もっとたくさん映画を見て、今夜みたいにいろんなことに想いを馳せてみよう。

 

もう答えはすぐそこまできている。

なんとなく、今日の夜風みたいにふわふわと香ってきているんだから。

(完全自己満ブログになっちゃったw)

 

ある日どこかで

気持ちのいい夏の夜に、外の空気を感じながら観るのなんていかがでしょう。

映画の美しいシーンたちがバッチリ合います。

 


ある日どこかで Somewhere in Time テーマ曲と名場面 - YouTube

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ある日どこかで [DVD]

ある日どこかで [DVD]

 

 

SHAME 愛なら、毎晩ティッシュに包んで捨てている。

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2012年公開された「SHAME」。

NYに住む中流階級セックス依存症の男ブランドン(マイケル・ファスベンダー)。仕事以外の時間は、ゆきずりのセックスを無意味に繰り返し、ただひたすらセックスに時間を費やすブランドン。

 

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ある日突然、家に転がり込んできたのは妹のシシー(キャリー・マリガン)。シシーは他者の愛を異常なまでに求め、激情の塊のような女性。さらには自傷癖まである。

 

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そんな正反対にいる兄妹はお互いに衝突し合い、傷つけ合う。彼らの過去にいったい何があったのか。ブランドンは、一体どんなシェイムを抱えているのか。

異常で歪な兄妹の関係性は、観ていてとてつもない違和感を感じさせる。そこに、この映画のすべての秘密が隠されているのかもしれない。

 

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過激な性描写によるR18指定の問題などで、国内での上映館も少なく、内容的にも、「一緒に観に行こう」と誘えそうな人もいなかったので、DVDリリースを待ってやっと鑑賞。

 

映画の始まりから終わりまで、主演のマイケル・ファスベンダーほとんど裸じゃん。と突っ込みたくなるほどあっけらかんとフルヌード。妹役のキャリー・マリガンも出だしからいきなりフルヌード。出てくる人の9割は裸体さらけ出しちゃってる。笑

 

終始セックスをしているか、マスターべションに明け暮れる男の生活を見続けているのに、いやらしいとか、目を背けたくなる、とかなぜだかそういう感情にさせられない。

 

「脚本を読んで一番驚いたのはヌードの場面だった。撮影で裸になったことはなかったし、かなり徹底した描写だったけど、スティーヴの過去の作品を見ていたからリスクはないと感じたの。スティーヴはアーティストで、人体に敬意を表している。意味もなく性的な描写はしないし、不当に裸体を露出することは決してないわ。」

 

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と主人公の妹役を演じたキャリー・マリガンが某インタビューに答えたように、監督自身の芸術家肌な感覚と、物語自体に秘められたメッセージを心のどこかで感じずにはいられないからなのか、それぞれの感性に訴える、説明的でない物語展開のおかげで、セクシャルなだけでない物語の本質がしっかり伝わってくる。

 

この映画を観終わってすぐの感想は「...........。」

無。

 

なんというか、面白かったし、シーンの一つ一つや、セリフの一字一句に伏線が、

物語を読み解く謎があるのかもしれない、と注意深く観るおかげで、

気づいたら物語の世界にどっぷりはまりこんでしまうのは間違い無いのだけれど、

でもやっぱり見終わった時には「...........。」としか反応ができない。

 

ラストのシーンを前に、頭の中を「(もしかして?)」という結末は過るんだけど、

でもできたらそうでない結末を望みたい。

最後の最後まで、物語の核心は語られないおかげで、しばらく「...........。」になるほかない。

 

シシーとの関係は?

彼らの過去にはいったい何があった?

愛する人とのセックスでは機能しなくなってしまう現実は変わらないの?

彼の、シシーの今後の人生は?

 

すべてについて全く語られることなく、物語はラストへ向かっていく。

 

監督は淡々とひたすらにブランドンが生きる世界の「現実」を描き続け、

観客はその「現実」を覗き続ける感覚。

 

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見終わってすぐに、「どうにもならない現実」を前に、無力感に絶望する感覚が呼び起こされた。

 

外向きの自分と、本当の自分。

社会に生きる人々ならばもっているであろう二面性を、自分でコントロールしきれなくなる瞬間が訪れた時の歯痒さ。みたいな痛みをブランドンを通して感じる。

 

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 人はいつでもやっぱり、誰かと繋がっていたいもの。

 

他者との心のつながりを切に願うシシーと、体のつながりばかりを求めてしまうブランドン。複雑な家庭環境の中で寄り添うように育った二人にとって社会はとても厳しい環境だったのかもしれない。

 

「私たちは悪い人間じゃない。悪い場所にいただけよ。」

と泣きながらブランドンの留守電にメッセージを残したシシーの発言からもわかるように、きっと過去に二人の間には何かしらの関係があり、ブランドンはそれでも実妹であるシシーという女性を心底求めている自分を振り払うかのように無意味なセックスを繰り返しているのではないか、と感じた。

 

それでも無邪気に兄の愛を求めるシシーにやりきれない気持ちにさせられているブランドン。そういう思いで彼の言動、行動を見ていると辻褄が合う。

 

異常なまでに距離の近い兄妹。

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シシーが体に触れることを嫌がるブランドン。

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心のつながりと、体のつながり。

人間はこの2つがバランス良く存在できないと、どこかに歪がではじめる。

 

「2012年、最も完成度が高く、挑発的な超話題作!」

とコピーの通り『さぁ、あんたはどうなのよ?』とマイクを突きつけられたような。

 

強いて言うなれば、公式サイトの文章通り、

「セックスだけなのに、すべてがある」まさにそんな映画だった。

 

エンタメ映画、といった感じではないので、好き嫌いはかなりありそうですが、

思わず「...........。」となるような映画が好きな人ならかなりイケるくちかと。

 

個人的には、久々に見ごたえのある映画でございました。

 

気になる方はぜひ、予告編でも。


『SHAME -シェイム-』予告編 - YouTube

 

 

SHAME -シェイム- スペシャル・プライス [DVD]

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観てるだけでハッピーホルモンが溢れ出す恋愛ドラマ『Grey's Anatomy』

寒い。ここのところ寒いです。

 

つい先日まで心の友と呼ぶべき女性と

北海道に行っていたわけですが、その寒さとはまた違って東京はなんだか寒い。

 

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何だか寒いと思う理由はわかってる。

おそらく、ぬくぬくまったりな出来事がないまま今週を終えそうなので

ハッピーホルモンである、オキシトシンあたりが足りていない。笑

 

というわけで、恋愛ドラマを観るだけでもハッピーホルモンは分泌されるそうなので

きゅんきゅんが止まらない名作、「グレイズ・アナトミー」より、主人公メレディスとデレクの胸きゅんなシーンに合わせて名台詞たちをご紹介。(寂しい)

 

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過去にも何度かこのブログで登場した海外ドラマ「Grey's Anatomy」。

きっと今後何度でも登場すると思うのですが、それくらい演出、脚本、キャスト全てが素晴らしいです。

DVDもボックスでシーズン8まで持っていて、何度見返しても、結末分かってても泣ける。

 

メレディスとデレクの恋愛は山あり谷あり。

相手を思いやるあまり、本心を閉ざしがちなメレディスと何でもオープンにしたいデレク。正反対の二人が織りなす恋愛模様はとてもドラマチックだけど、なぜか共感の嵐。

アメリカで10年以上視聴率トップに君臨するドラマだけあって、セリフのひとつひとつも考えさせられるものばかり。

 

中でも、メレディスのセリフがとっても素敵。

 

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『So pick me, choose me, love me.ー私を選んで、私を愛して。』

 

 

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 『I believe We could be extraordinary together rather than ordinary apart.

 ー離ればなれでいてありふれた平凡な人になるより、二人一緒にいれば私たちは

 特別な存在になれると信じたいの。』

 

 

 

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『The point is we can't help who we fall in love with.

            ー誰だって誰かに恋に落ちることを予期できないのよ』 

 

 

 

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『気持ちを伝えた?「愛してる」「あなた無しじゃ生きられない」「出会って人生が変わった」そう伝えた?

 誰しも計画を立て、目標を作り、そこを目指す。でも目の前のことも見るべき、そして味わう。チャンスは今だけ。明日になれば消えているかも。』

 

 

うーん。自分で書いててまた色々と考えさせられてしまった。

グレイズアナトミー、また観直してハッピーホルモン分泌させておきましょう。笑

 

ではでは。

 

 

 

 

 

 

 

ロマンスを長続きさせる25の方法

同棲・結婚という言葉を本当によく聞くようになった。

 

付き合ってすぐに同棲するカップルや、出会ってすぐに求婚→結婚→同棲(という表現が正しいのか分からないが)など、去年1年間だけでもかなりの数の友人が同棲やら、婚約やら結婚をしたと思う。

 

なんて話を忘年会の席でしていると、十数年先を生きる人生の先輩(既婚)が、「それ、第一次ピークだね」と得意げに言い放った。この調子で数は増え続け、女性なら30歳を目前に、男性は35歳を目前に第二次ピークが訪れるらしい。

 

「えー、そうなんだ。」と相づちを打つと、

「今は他人事に思えるだろうし、結婚願望もないだろうけど、いつまでも自分1人独身でいると焦り出すもんだよ。」

なんて言われてしまった。

「あれ?やばいかなー、やっぱそういうもんですか。。汗」

と笑いながら、心の中で余計なお世話じゃい。と思いつつ何だかチクリと胸が痛む。

するとすぐに、同じテーブルにいた少し年上の男性(独身)が、

「やー、でも結婚のタイミングってわからないもんですね。同棲なんてしないで、ちゃちゃっと結婚しちゃったほうがいいのかも。一緒に暮らして何年も経つ彼女はいるけど、もう1年近くゴブサタで。ソノ気になれないんですよ...今さら結婚てのもなんかね。」

とリアルなトーンで話し出した。

 

私は、何年も同棲するような恋愛経験はない。でもこういう類いの話は本当によく聞く。同棲歴の長いカップルがセックスレス。欲求不満は募るばかりなのに、何だかソノ気になれない。しかもお互いに深く知り合った関係なだけに別れるなんて考えられない。そのまま継続して関係を続けられれば良い方で、結局は破局し、数ヶ月後には別の恋人と結婚しちゃった!みたいな話も珍しいものではない。

 

恋はいつも突然やってきて、突然姿を消す。気まぐれもいいところ。

味気のなくなったガムのように、口の中で変わらず噛み続けているうちに、もう味がしない、あの感じ。いつから味が無くなったのかもわからない。それでもなんか口の中から出せなくて、規則的に噛み続けるしかないような気がしてしまう。

最初に口に入れた時には、あんなに甘ったるくてジューシーで口の中いっぱいに風味があったのに。

 

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出会った頃の気持ち、恋する気持ちをいつまでも持ち続けることは難しい。

私の愛読書「人はなぜ恋に落ちるのか / ヘレン・フィッシャー著」でも、そんなようなことが書かれていたなあ、と思い出す。

 

人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学 (ヴィレッジブックス)

人はなぜ恋に落ちるのか?―恋と愛情と性欲の脳科学 (ヴィレッジブックス)

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“私たちが行った脳の研究では、少なくとも17ヶ月は続くことが判明している。(中略)とはいえ、恋愛期間は人によって大きく異なるはずだ。(中略)ところがそうした恋の炎は、相手と毎日一緒にいるようになると、消えていく傾向にあるーーーー”

 

ここで言う、「消える」とは脳の別の回路で分泌されるホルモンの種類が変わるといったようなことらしいので、恋する気持ちが消える=破局というわけではない。

でも、どうせなら世界中にいる70億人近くの人間の中で出会った相手に恋した以上、可能な限り、ロマンチックな恋する気持ちを持ち続けていたいじゃない!

 

...と、25歳まだまだ未熟な女が夢みたいなことを言ってみる。

案の定、人生の先輩(既婚)は「まあ、そうだなあ」とひとこと笑うのみ。そんな夢みたいなこと言ってられるのも今のうちだぞ的表情で優しい笑顔を向けられ、不満そうな顔をする私を尻目に、人生の先輩(既婚)とセックスレスの彼との間で、あーでもないこーでもないと議論して話は収束した。

 

家に帰って考えた。

本音とタテマエがあるのが人間なので、本当のところはきっと誰しも分かり得ないのだろうけど、ロマンスを長続きさせる方法はきっとあるはずだし、焼け木杭に火がつくということわざが昔からあるように、一度は消えた恋の炎をもう一度燃やすことくらいはできるはずだ。

そりゃあ、“24時間365日愛されたい”なんて、そんな高望みはいたしません。でももしそれに近いかたちで愛し合えるならこんなに素敵なことはない。

 

酸いも甘いも恋愛の一通りをなんとなくは経験した。長期間の遠距離恋愛など、普通は経験のないような障害のある恋愛をしたことだってある、と自負している。

たくさんの素敵な恋を知り、失い、悦び、傷付いてきたからこそ、「ロマンス」や「運命の出会い」みたいなものを信じていたい。まだまだ人生を知らない、とか恋愛を知らない、とか言われたって構わない。一回きりの人生、夢見心地で恋愛したっていいデショ!となんだかムキになってしまった。

 

気が付けば、「人はなぜ恋に落ちるのか?ヘレン・フィッシャー著」を手に取り、1ページ目から黙々と読み始め、蛍光ペンを片手に、気になった文章にラインを引いていた。

以前読んだ際に自分が引いたラインの箇所とは違った文章に、自分の心が動かされていることに気が付く。もう何回読んだか分からない。3色のラインが本のページに記されていた。20歳の時に初めて読んでから5年、私は少しずつでも変わっていた。

 

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そんなことを考えながら読み進めていくと、やっぱり!人によって程度は違えど、方法はあるみたい。

脳科学的観点から、生物学的観点から、ロマンスを長続きさせる方法について、セラピストたちが患者に話すアドバイスの話とカーリール・ジブラーン(レバノンの詩人)の言葉を基に、自分なりに25個の標準的行動をピックアップしてみた。

 

 

1. 献身すること

2. 相手の言葉に「熱心」に聞き入ること

3. 質問すること

4. 答えること

5. 感謝すること

6. 魅力的でいること

7. 知識を増やし続けること

8. 彼女を輪に入れること

9. 彼にプライバシーを与えること

10. 誠実で信頼できる人間になること

11. 相手に自分が必要とするものを伝えること

12. 彼あるいは彼女の欠点を受け入れること

13. 礼儀を心得ること

14. ユーモアのセンスを発揮すること

15. 彼を敬うこと

16. 彼女を敬うこと

17. 歩み寄ること

18. 建設的な議論を交わすこと

19. 別れをちらつかせて脅さないこと

20. 過去は忘れること

21. 浮気には「ノー」ということ

22. 関係が永遠に続くと思わないこと

23. 1日ずつ積み重ねていくこと

24. そして、絶対にあきらめないこと

25. 一緒にいる時でも距離を保つこと

 

25番目の「一緒にいる時でも距離を保つこと」については、生物学的観点からも重要な事であると推測できる。

著書の中で詳しく述べられているが、恋愛感情を引き起こす脳内ホルモンであるドーパミンは、報酬がなかなか得られないことで細胞の活動が引き延ばされる。この天然刺激物が脳の報酬中枢とやらへ突進することになるんだそう。

「逆境が恋心を育てる」のも同じで、満たされない気持ちが、満たされたいという欲望に変わり、それこそが恋の炎をメラメラと燃えさせる。

 

“男性は女性とくらべるとプライバシーと自主性を好む傾向にあるとはいえ、どちらの性にとっても、「距離」は恋愛情熱を維持するのに役立つものなのだ。”

 

つまり、お互いにミステリアスな部分をいくらか持っておくことで、恋愛感情=ロマンスの寿命は伸びるのだ。

 

他にも、著書の中で述べられていたさまざまな恋と愛情とセックスにまつわるおもしろい話たちを基に考えた。でも、そもそも上記25の方法は、きっと恋に落ちた最初の頃には、自然とお互いにやれていたことなのだ。人はいつしかそんな事も忘れ、お互いの愛情の上であぐらをかきはじめてしまう。やはり恋愛においても原点回帰は必要不可欠なのだろう。

 

 

と、自分なりのふわりとした結論wを前に、本に目をやるとスイスの作家ヘンリ・フレデリック・アミエルの「人は愛すれば愛するほど、苦悩する」という文章が、目に留まった。思わずラインを引こうとペンを手に取り、よく見ると、すでにうっすら鉛筆でラインが引かれていた。以前の私も、どうやらこの言葉が目に留まったらしい。

 

「人を愛し、苦悩することは昔から変わってないのか。」と思わず笑ってしまった。笑

 

時間と共に、人はいつからか相手の愛情に甘え出す。

本当に愛する人ととそばにいられるだけで幸せなことなのに、いつしか当たり前になってしまう。イビキがうるさい!寝相が悪い!起きたての髭が痛い!朝の息がイヤ!と、日常生活で相手に嫌気がさすことも、愛する人と共に生きられることの幸せなのだ。

 

好きな時に愛してると伝えられること。愛する人と嫌気がさすほど一緒に過ごせること。幸せの中にいると、きっとこういうことから見落として言ってしまうのでしょう。ロマンスを長続きさせる25の方法は、改めて読めば、あたりまえのことしか言っていない。

そのあたりまえこそ、貴重なものなのだと気付ける人にならなくちゃ、と頭の中がハッとした。

 

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「ほしいものが、ほしいわ」~『紳士はブロンドがお好き』から見るローレライの恋愛テクニック~

80年代に糸井重里氏が西武百貨店の広告コピーとして世に送り出した言葉。

「ほしいものが、ほしいわ」

 

実際のコピーはもう少し長文らしい。

 

“ほしいものはいつでも

あるんだけれどない

ほしいものはいつも

ないんだけれどある

ほんとうにほしいものがあると

それだけでうれしい

それだけでほしいとおもう

ほしいものが、ほしいわ”

 

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変化球に見えて、かなりの直球。

「イマドキの若者は消費をしない」なんて言われている時代。

消費うんぬん以前に、ソーシャル化しすぎた現代の雰囲気のせいで、周りの目を気にしてなのか、「ほしいものが、ほしいわ」と言える人が少ないだけのような気もする。

そして時たま、「ほしいものが、わからないわ」状態の人もいたりして。

物が溢れている時代に生まれた宿命なのか、なんなのか。

 

買い物だけに留まらず、恋愛でも、同じことが言えるような。

「○○さんが好き」という明確な気持ちの前で、なんにもせずにヤキモキ、モジモジ。

しおらしくって素敵だね、なんて意見もあるでしょうけど、

基本的に、「ほしいものが、ほしいわ」と言えなきゃ、よっぽど幸運の持ち主でない限り、「ほしいものは、てにはいらない」のです。

 

私が思うに、

「欲しがる権利のあるうちに、欲しがれるものを、欲しがるべき」で、

もしそうしなければ、近い将来、欲しがる権利が無くなった時に、欲しがらなかった自分を呪うほど後悔するはず。「欲しい・手に入れたい」と思う気持ちは、失うことでさらに大きくなるもの。求められるうちに、求めるべきなのです。

 

と、前置きが長くなりましたがw

本日は元祖肉食女子?の競演でも有名な「紳士はブロンドがお好き」から見るローレライの恋愛テクニックについてご紹介。

 

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ハリウッドを語るのに欠かせない大女優、そして世界のセックスシンボルとまで言われたブロンドのマリリン・モンロー、ブルネットが印象的なジェーン・ラッセルが競演した本作。

 

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ニューヨークでショーガールとして活躍する、お金に目がないローレライ・リー(マリリン・モンロー)と色男に目がないドロシー・ショー(ジェーン・ラッセル)。

性格も容姿も真反対だけれど、二人は幼なじみの大親友。

 

ちょっとおバカなローレライは資産家の息子ガスとフランス行きの豪華客船に乗りフランスで結婚式を挙げることに。しかし、ガスの父親が金目当ての結婚は許さない!と二人の関係に水を指す。とあるきかっけで、ローレライとドロシーだけでフランスに渡ることに。心配性でヤキモチ焼きなガスを尻目に二人は豪華な船旅に出る。

 

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船の中では、美人な二人に男性の乗客たちの視線が集まる。

ガスの父親がローレライの素性を暴くべく雇った私立探偵のアーニー・マローンもその中のひとり、ドロシーの美貌にひとめぼれする。ローレライの監視をしながらドロシーと心を通わせるマローン。ドロシーも徐々に彼に魅かれていく。

 

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一方、ローレライは、ドロシーに素敵な相手を見つけると託つけて、乗客名簿をもとにお金持ちの男性をしらみつぶしにチェック。

 

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“If a girl spends all of her time worrying about the money she dosen't have, how is she going to have any time for being in love?

-もしも女がお金を使う時に心配ばかりしていたら、愛する余裕なんて無いはずよ。”

 

なんて力説するローレライ

パーティーで出会った宝石関係会社の社長であるピギーに目星をつけると猛烈アタック。ピギーはローレライに夢中で、仕舞いには、ピギーの妻のティアラをローレライに譲ってしまう。

 

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のちに、このティアラを巡ってトラブルが大発生。私立探偵マローンとドロシーの恋の行方やいかに。そしてローレライは無事にガスと結婚ができるのか。と物語は進んでいくわけですが、、

 

そもそもミュージカル映画が無理という人にはオススメできない映画ではあるものの、マリリン演じるローレライとジェーン・ラッセル演じるドロシーのライフスタイルや立ち振る舞いは現代の女性にも大いに参考になる“モテ要素”がたくさん。そして何より、ローレライの男性を虜にするテクニックは(ちょっと自分流にカスタマイズする必要があるけれどw)ぜひ真似してみたいものがたくさん!

それだけでも一見の価値有り!というわけで、個人的にふむふむとおもった部分をご紹介いたします。

 

 

 

 

◇うれしい!→チュッ!戦法

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“Daddy, I'll bet you made me the happiest girl in the world!

-パパ、私って世界一幸せな女だわ!”

 

ステージ後に楽屋に来たガスがローレライにダイヤのリングをプレゼントする。受け取ったローレライは大喜び。ぶっ飛ぶくらい大きなダイヤを何の脈絡もなくプレゼントされたら、普通は「こんな高価そうなもの...!」とか「もらうなんて申し訳ない!」なんて気分になるところを、ローレライは「大きければ大きいほどいいわ!どう?これ小さい?」なんて言いながら、指輪をはめてみせます。笑

そしてその後、指輪を見つめ、ガスを見つめると「パパ、私って世界一幸せな女だわ!」とガスの襟を掴んでキス。そもそも“パパ”っておいおい...とも思いますが、それすらローレライのキャラならアリ!と思わされてしまう。

 

ローレライのように目が¥マーク的な部分を素直に出せ、ということではなくw、嬉しいことに対して、ちゃんと照れたりせずに120%の反応で返してあげられる女性ってやっぱり可愛らしい。ただただ喜ぶだけじゃなくて、相手の好意に対して、ちょっと大げさなくらい気持ちを返して、更にいい過ぎでしょってくらいの言葉もかけて、喜びに浸る気持ちをキスで表現してあげられれば、男性だってやったかいがあったぜ!と誇らしい気分になるはず。

 

名付けて、「嬉しい!→チュッ!戦法」なり。笑

 

◇「忘れないでね」戦法

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“I'll be in my room alone, every post meridian and I'll be with my diary and that book by Mister Gideon.Bye, bye baby...Remember you're my baby. When they give you the eye, and just show that I care.I will write and declare that I'm on the loose but I'm still on the square.

-午後はいつも独りで部屋に閉じこもっているわ。日記と聖書を手にしてね。

お願い、忘れないでね。アナタは私の恋人だってこと。

誘惑されそうになった時、アナタを愛している証拠に誓うわ。離れていても浮気なんてしない。どんなに寂しくても、他の男性には近付かないわ。

しばらく会えないけれど、笑顔を忘れないわ。さよなら、私のベイビー。”

 

フランス行きの豪華客船に乗り込むも、ガスとはフランスで落ち合うことに。船に乗り込んでから、あらゆる男性の視線がローレライたちに向けられているのを見て不安になったガスにローレライが歌うシーン。

大勢の中から、ガスを連れ出して二人になると、隣に座って耳元で囁くようにスローに歌い出す場面は女の私でもドキドキするほどキュートでセクシー。15秒に1回くらいのペースで唇をチラリと見つめてニコッと笑う辺りも、さすがマリリン...と息をのむほど小悪魔感が溢れ出てます。

 

恋人と離れてる時間、いろんな誘惑に負けちゃうんじゃないか?浮気しちゃわないか?と心配になることは誰しもある。そんな時、ありがちなのが「浮気したら許さない!」とか「○○時頃、連絡する(して)!」とか「女の子とアドレス交換しないでー!」とかお互いに約束事を決めることだったりするのだけど、ガチガチに固めても結局浮気するときはするのが男性(女性も然り)なので、もはやそういうことに意味があるのかないのかも分からない。だったら、いつまでも自分に夢中でいてもらう努力やら、彼(彼女)が自分の恋人なんだってことを刷り込む戦法に出た方が懸命。笑

「お願い、忘れないでね。アナタは私の恋人だってこと」といいながら、かわいらしく鼻をスリスリするローレライのように、恋人同士のルールで固めるのではなく、「お願い、忘れないでね.....」と文字通りお願いする方がずっとかわいらしくて効果がある。

 

更に、ここで大事なのが、「聖書と日記を手に独りで部屋にこもるわ」なんてことを言っていたはずのローレライが「誘惑されそうになった時...」と続けて歌い出す。ちゃんとここで、自分にも“誘惑されるようなときがある”という可能性を匂わせています。笑

 

ー離れていても浮気なんてしない。どんなに寂しくても、他の男性には近付かないわ。

しばらく会えないけれど、笑顔を忘れないわ。ー

 

浮気しないし、他の男にも近付かない!とちゃんと宣言した上で、それでも明るく過ごしますと言ってる辺りかなりのテクニシャンだなあと感服。もちろんローレライは架空の人物ですが、現実にもこういうことできる女性っているもの。

普通なら、「あなたに会えなくて寂しい」とか「あなたがいなきゃ楽しくない」とか沈んだ気持ちを色々言ってしまうもの。でもここでローレライは「あなたがいなきゃ何もできないわ」なんてガスを安心させるような言葉を並べて甘えて歌った後に、すっかり元気になって「アハハ!」と大きく笑って部屋に入ってきた人たちと踊り出す。笑

「なんだか安心したんだけど、でも、結局のところ、、なんか、、、そうだよね、うん。。」と言いたげなガス。笑

なにはともあれ、きっとこのギャップがたまらないのでしょう。

(だがしかし、翌日にはどこかから手に入れた乗客名簿をチェックしたり、食事の席で目当ての資産家の隣になるように支配人を買収したり、、とおバカに見えてかなりしっかり者なローレライ。笑)

 

従順過ぎても面白くないのが恋愛。ローレライのように寄りかかっているようで、でもなんだか危なっかしい。そのあたりが男心をグッと掴んで離さない。

 

というわけで、ヤミクモに束縛するんじゃなくて

「私も誠実でいるから、あなたも誠実でいて、お願い♡」パターンが一番の浮気抑止力になったりする。

 

「彼に限って浮気するなんてありえない!」と思っているよりも「浮気は誰にでも十分ありえる」と思っていれば、「お願い、忘れないで」は自然と出てくる言葉になる。そして、だからこそ、「私もその誘惑に負けないようにするわ」と刷り込むことで、つまり、あなたが浮気しているその時には私も浮気しているのかもよ?とお互いに心配する気持ち、“浮気の可能性が0ではないこと”が抑止力になってくれるはず。

 

「浮気しちゃうんじゃないか」という気持ちを逆手にとって、束縛せずして束縛するという、名付けて「忘れないでね戦法」なり。笑

(本来、恋愛関係において自然なことだとは思いますが。)

 

 

 

 ◇「ほしいものは、ほしいわ」戦法

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“Don't  you know that a man being rich is like a girl being pretty? You wouldn't marry a girl just because she's pretty, but my goodness, doesn't it help?

-お金持ちの男は美人の女と一緒なの。同じ結婚するなら美人の方がいいでしょ?”

 

ガスの父親に結婚を反対されたローレライが言うセリフ。

資産目当ての結婚なんてありえないと言うガスの父親に対して、ローレライが悪びれることなく言い放ちます。

 

まさにローレライこそ“ちゃんと欲しがれる女”であり、それを手に入れる権利があるひと。

 

この後、驚いたガスの父が「利口な女だとは知らなかった」というと、ローレライは続けます。

 

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“I can be smart when it's important, but most men don't like it.

-私が利口ぶると、男はいやな顔するのよ。”

 

この時代の理想の女性像は利口で自立したな女性よりも、ちょっとおバカでも家庭的な女性。そんな男性の理想像を理解していたローレライ。彼女なりのフェミニズムがあったのではないかと。ここで言う彼女なりの、とは男性社会を敵と見なしたような従来のフェミニズムではなくて、まるでそれら全てを手玉にとったようなフェミニズム

 

ほしいものは、ほしい!と開き直る。そして自分をしっかり持って崩さない。それでいて男性の欲望や希望も壊さない。

これこそ、まさに00年代を生きる今の女性たちが目指すべき新しいフェミニズムなのではないかと思ってみたり。

 

そんなローレライの必殺「ほしいものは、ほしいわ」戦法。笑

 

 

 

 

「紳士はブロンドがお好き」は、ちょっぴり古くさいし、思わず「ありえないでしょ〜」と突っ込みたくなる展開もたくさんある映画ですが、今を生きる全ての女性にぜひ観て欲しい!

 

観終わった後に、絶対何かを得ているはず。

「ほしいものが、ほしいわ」と言える女になると、毎日が今よりもっと素敵になるかも。

 

 

紳士は金髪がお好き [DVD]

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音楽も素敵な映画5選!(※超個人的趣味)

あけましておめでとうございます!

2015年も変わらず、映画のことやら何やら好き勝手書いていきます。

今年こそはある程度、自分のビジョンをカタチにするために「突き詰める」という言葉をテーマに、特に、「無価値なもの」について自分なりの思想を持って向き合っていければな、、と思います。(これについてはまた次回。)

 

さて、2015年1月1日の朝から、映画を観て過ごしておりましたワタクシ。

『love actually』を改めてDVDで購入したので、再視聴。

新たな発見がまたまたありました。

 

映画を観ることの楽しみは、物語の面白さやキャストの善し悪しだけではなくて

劇中に使われている素晴らしい音楽に出会うことだったりする。

 

前回も書いた

 

インサイド・ルーウィン・デイヴィス - LOVE GIVES LIFE

 

の記事の時もまさにそれだった。

食わず嫌いだったフォーク音楽についてのイメージも変わり、素敵な曲たちに出会えた瞬間だった。映画を観なければ感じることは出来なかったはず。

 

というわけで、2015年一発目の記事は、

「音楽も素敵な映画5選!」でございます。今年も超個人的趣味&見解で書きますので

懲りずにお付き合い頂ければ幸いです。

 

 

では、スタート!

◇ love actually 

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12月のロンドン。クリスマスを目前に浮き足立つ人々の愛の群像劇。

リーアム・ニーソンヒュー・グラントキーラ・ナイトレイビル・ナイエマ・トンプソンコリン・ファースなどなど超主役級から名傍役までもが勢揃いした豪華キャスト。

なんとMr.ビーンでお馴染みのローワン・アトキンソンも、とってもチャーミングでファニーな百貨店の販売員の役で出てきます。

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しかもばっちりセリフ喋ってます。笑

ビーンのときとは違った彼が観られる上、思わずニヤニヤしてしまうやり取りに大満足です。さすがローワン・アトキンソン

 

さて、この映画は、脚本、キャスト、音楽と三拍子揃って素敵な映画なのですが、中でもグッと来たのが、

 

Both Sides Now/ジョニ・ミッチェル


Joni Mitchell - Both Sides Now (HD) - YouTube

 

幸せな結婚生活を送っていた専業主婦のカレン(エマ・トンプソン)と夫のハリー(アラン・リックマン

※この2人、なにげにハリー・ポッターでも共演しているのです!気になる方はリンクへどうぞ。

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ハリーがカレンと共にクリスマスギフトを買いにいったその日、家に帰るとハリーの上着のポケットに自分の知らないプレゼントが忍ばせられていることに気がつく。蓋を開けると素敵なハートのネックレスが。

自分へのサプライズギフトなのだ、とそっとポケットに戻し、プレゼント交換の日を心待ちにするカレン。

 

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そしてやってきたプレゼント交換当日。カレンは知らない振りをしながら、ハリーと子供たちの前で同じ包みの箱を開ける。

 

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そこには自分の予想とは違ったカレンの好きなジョニ・ミッチェルのアルバムがあった。あのネックレスは別の女性へのプレゼントだったのだ、と夫の不貞に気がついてしまうカレン。

 

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家族に悟られまいと、嘘をつき部屋でひとり必死に涙をこらえながら立ち尽くすシーン。そーっと静かに流れるメロディの中でジョニ・ミッチェルの物悲しいようなでも少しだけ力強い声で歌い上げるバラードに、胸がギュンギュン締め付けられました。

 

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Both Sides Now ※歌詞一部

Moons and Junes and ferris wheels

月の満ち欠け、巡り来る六月、観覧車

The dizzy dancing way you feel

くるくると踊り出す感覚の中で

As fairy tale comes real

すべてのおとぎ話が現実へと様変わる

I've looked at love that way

私は「恋」をそんな風に思っていた

 

But now it's just another show

でも今やそれもありきたりなショー

You leave 'em laughing when you go

去るときはアナタは笑顔のまま

And if you care, don't let them know

相手を思いやるなら、悟られないこと

Don't give yourself away

自分自身はどこかに追いやること

 

I've looked at love from both sides now

私は「恋」の裏表を知ってしまった

From give and take, and still somehow

与えることや奪うこと、そしていつしかそれも

It's love's illusions I recall

恋の幻だと思い返す

I really don't know love at all

私は本当に「恋」のことなど何一つ知らない

 

この歌詞が字幕で流れながら、涙を必死に抑えて、笑顔でハリーと子供たちのもとへと戻るカレンの姿に、母として、妻としての強さと覚悟を感じます。(エマ・トンプソンの演技がピッカピカに光ってます。)

 

この曲に出会えただけでも素晴らしい収穫。悲しいシーンではありますが、映画関係なく、綺麗なメロディとジョニ・ミッチェルの心地よい歌声に陶酔できる素晴らしい曲です。(観終わって即買いしましたw)

 

Both Sides Now

Both Sides Now

 

 

コレ以外にも、ノラ・ジョーンズマライア・キャリーなど素晴らしい曲たちがふんだんに散りばめられています。クリスマスはとっくに終わっちゃったけど、これからますます寒くなるこの季節に観ても、心温まる愛に溢れた映画です。

 

 

◇ジャージー・ボーイズ

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2014年公開、クリント・イーストウッド監督の本作。

The Four Seasonsをモデルに描いたジュークボックス・ミュージカル映画。同じ系統でアカデミー賞も獲得したドリームガールズとはすこし違って、ドキュメンタリータッチに物語が進んでいく。

 

CMで見かけて以来気になって気になって、劇場まで観に行った思い出の映画。

物語、キャストに関しては個人的にはクリティカルヒットしたわけでもないのですが、音楽がとにかく良い!

 

とにかくFranky Valliを演じるJohn Lloyd Youngの声、歌が素敵。

ある人の受け売りですが、「今どき60年代の歌い方ができる歌手がいたなんて驚き」だそうで。吹き替えではなく、実際のキャストが歌っているのでその辺も要チェック!

 

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このシーンのコレ!ではなく、映画全体ですべての曲を感じて、聴いて欲しい作品。

サントラは購入必至です。

 

Jersey Boys: Music from..

Jersey Boys: Music from..

 

 

 

◇何だかおかしな物語

 

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前回ブログでも紹介したので、あらすじ等々割愛させて頂きますが、

精神病棟内で起こる人々の葛藤を描いた切なくて可笑しくて温かい物語。

映画の中で、ボブ・ディランの歌詞が引用されたり、クイーンの曲を患者たちで演奏するシーンがあったり、と映画自体が音楽と深く結び付いている。

 

中でもクイーンとデイヴィット・ボウイのアンダープレッシャーは、

イントロを聴いて衝撃。あまりロックに興味の無かった私ですが、思わずiTunesで購入。笑

 

主人公の少年が、無理矢理進められ、レクリエーションの音楽活動でボーカルをするはめに。

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主人公の妄想の世界で、歌いながら演奏がどんどん本格的になっていきます。

 

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Under Pressure / QUEEN feat. David Bowie

Insanity laughs under pressure we're cracking

プレッシャーのもとで狂気が笑い、僕たちは壊れはじめる

Can't we give ourselves one more chance

どうして僕たちは自分自身にもう一度チャンスをやれないのか

Why can't we give love that one more chance

その愛ってやつでもう一度チャンスを与えてやればいい

Why can't we give love give love give love.....

与えるんだ愛を愛を愛を....

 

'Cause love's such an old fashioned word

愛ってのはとても古くさい言葉だからさ

And love dares you to care for

そしてその愛ってのが人をやる気にさせる

The people on the edge of the night

夜の淵ギリギリに突っ立てるヤツに声を掛けるように

And love dares you to change our way

そしてその愛ってのが人をやる気にさせるんだよ

Caring about ourselves

自分自身への気にかけ方を変えるように

This is our last dance

これが僕らの最後のダンス

This is ourselves

これが僕ら自身

Under pressure....

プレッシャーの下で....

 

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さまざまな悩みを抱えた患者たちの心の重圧を一気にはねのけてしまおう!と

全員が生き生きとした表情でステージ上を暴れ回るシーン。

人生は、真っ直ぐに生きようとすればするほどたくさんの重圧や壁にぶち当たる。

死にたくなるほど落ち込む日もあれば、ベッドから一歩も出たくない日もある。

 

人生にまつわるプレッシャーたちとどう向き合うか、を考えさせられる。

その中で、音楽というフィルターを通して様々なメッセージが届けられる。素敵な映画です。

 

Under Pressure (Remastered 2011) [feat. David Bowie]

Under Pressure (Remastered 2011) [feat. David Bowie]

 

 

 

◇LIFE

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フォトグラフ雑誌「LIFE」社の冴えないネガフィルム管理課の男ウォルター(ベン・ステイラー)。

ある日突然、LIFE誌の廃刊とともに会社再編を告げられる。

 

最終刊に使用するネガを管理するため冒険家でフォトグラファーのショーン(ショーン・ペン)からネガを郵送で受け取るも25番目のフィルムが無い。

 

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想いを寄せる同僚の女性シェリル(クリステン・ウィグ)にも上手に自分をアピールできず、未だに冴えない日々を送るウォルター。

 

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おまけに妄想癖のあるウォルターは新しい上司からも変人扱いされる。

 

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様々なことを抱えながら、一念発起しウォルターはショーンのいる場所まで直接ネガを取りにいく冒険の旅へ出る。

 

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旅先で起こる数々のハプニングを乗り越えながら、ウォルターは25番目のネガを無事手に入れることはできるのだろうか。

 

と、物語は進むわけですが、

映画の舞台となるグリーンランドにぴったりの壮大でピンと張りつめたメロディが耳から離れなくなるほど、“クセになるメロディ”であふれている。

 

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こちらの作品も、ジャージー・ボーイズと同じく、映画全体で音楽を感じるべきかも。サントラはリストから1曲でもなくなったらダメだと思えるほど全曲いい。

(個人的な思い出が詰まっているからなのかもしれないけど、とにかくいいですw)

 

物語も素晴らしいので騙されたと思って観て欲しい映画。

 

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LIFE! オリジナル・サウンドトラック

LIFE! オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

エンド・オブ・ザ・ワールド

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スティーブ・カレル、キーラ・ナイトレイ主演のパニック?ムービー。

小惑星の接近で、地球滅亡が決定的となったことを保険セールスマンのドッヂ(スティブ・カレル)は妻と車の中でラジオを聞いて知った。その瞬間、妻は突然助手席から飛び出し行方不明となってしまう。

 

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ひとり残されたドッヂは落胆した日々を過ごすが、周りは地球滅亡に向けて仕事もせず、毎日のようにパーティー三昧で乱痴気騒ぎ。

 

そんな中、イギリス行きの最後の飛行機に乗れなかったと泣きじゃくる自由奔放なイギリス人女性ペニーとひょんな出会いを果たす。

 

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彼女との出会いから、妻の浮気を知り、ペニーの元に間違って郵送された昔の恋人からの手紙の存在も知ることに。

ドッヂは人生で最も愛した昔の恋人へ会いにいく旅へ出ることを決意。

ペニーと公園に捨てられていた犬のソーリーを連れ、地球滅亡まで残りわずかな時間の中、3人で旅に出るのだった。

 

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この映画、普通にパニックムービーかと思いきや、小惑星とか宇宙の仕組みがどうとか、アルマゲドン的英雄たちは一切フィーチャーされず、そのへんの描写もほとんどなし。作品の冒頭で「地球滅亡は確実です。では次の曲をどうぞ(Beach boysのWouldn't It Be Niceが流れるw)」なんて淡々とDJが曲紹介するところから物語が始まります。笑

 

その後も、地球滅亡に向けておかしくなった人たちは出てくるものの、面白可笑しく表現されているのでそこまでパニック感はありません。

でも、だからなのだろうけど、物語後半は涙なしでは観ていられません。

 

特にラスト5分間、私は涙で画面が観れなくなったほど嗚咽して泣きました。淡々と描かれる愛のはじまりと終わりの物語に胸が締め付けられてしまう。

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ペニー「I wish I'd met you a long time ago. When we were kids.

    できることならもっと早く出会いたかった。私たちが子供の頃とか。」

    (中略)

ドッヂ「It never would have been.

    僕たちにとって、時間はいつだって足りないものだよ。」

 

地球滅亡まであと数分。二人はベッドに横たわってただ触れ合って会話をする。

ペニーは恐怖から泣きながらあれこれドッヂに言うものの、ドッヂはずっとペニーの髪を撫でながら、ただ静かにペニーの話に耳を傾ける。

だんだんと落ち着いていくペニーを愛おしそうに見つめるドッヂの表情に嗚咽が泊まらなくなるほど涙が滝のように出てしまう。

 

自分の最後の瞬間を愛する人とこんな風に迎えることかできたら、どんなに幸せだろう。

 

そんなことを考えているうちに、映画は静かに終わるのですが、ラストのクレジットシーンになってからのエンディングテーマ曲でまた号泣。

This Guy's in Love with You/ハーブ・アルバート

 


Herb Alpert - This Guy's In Love With You - YouTube

 

You see this guy

キミの目の前のこの男

This guy's in love with you

彼はキミに恋をしているのさ

Yes I'm in love

そう、僕はキミに恋をしている

Who looks at you the way I do

こんな風にキミを見つめてさ

When you smile I can tell we know eachother very well

キミが微笑むと僕には分かるんだ、僕たちが深く分かり合っているということが

 

(中略)

 

Dont let me heart be breaking

お願い、僕を傷付けないで

'Cause I need youe love

なぜって、キミの愛が必要なんだ

I want your love

キミの愛が欲しいんだ

Say you're in love, in love with this guy

キミも目の前のこの男を愛していると言っておくれ

If not I'll just die

じゃなきゃ僕が生きている値打ちなんてないのさ

 

もう歌詞がグイグイ心の中に入ってきて、

最終的には鼻水なんだか涙何だかわからない状態で顔中をティッシュで拭くはめになりました。

 

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ぜひご覧いただけるのであればティッシュ常備でお願い致します。笑

 

Seeking a Friend for the End of the World

Seeking a Friend for the End of the World

 

 

 

 

映画鑑賞の際、音楽ももっと気にしながら聴いてみると、歌詞の中にたくさんのメッセージが散りばめられていたり、映画の世界観を語るにふさわしい背景を持った曲だったり、、音楽がいつもの2倍、3倍映画を楽しめる素敵なスパイスであることに気付けるはず。

 

 

 

...と、こんな感じで長々とダラダラと書いてしまいましたが、

2015年も無事スタートを切りましたので、この調子でやってまいります。

 

改めまして、今年も宜しくお願いいたしますm(_ _)m!

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